1冊の本との出会いで人生が変わることがある。
ちょっと大袈裟と思われるでしょうか?
私には「この本に出会えたおかげで人生が変わった」と思える大切な本がいくつかあります。
今日はそんな本の中から、私が「食べ方」をガラリと変えるきっかけになった一冊を紹介したいと思います。
食べるだけで幸せになるいのちのごはん
今から7年ほど前のことです。
私は今までの人生で一番の苦しみの中にいました。
ようやく念願だった仕事についたのに、クレーム対応に追われ、心身ともに疲れ切っていました。
寝ても寝ても眠気が取れず、身体は鉛のように重く、ほんの少し歩いただけで息切れがする。
やがて何を食べても何の味も感じなくなり、食べ物が喉を通らなくなりました。
もちろん、そんな状態で仕事を続けられるはずもなく、私はやむなく退職し、静養することになったのです。
涙も出ませんでした。
ただ、呆然としていました。
これからどうやって生きていったらいいのだろう
なんのために生きていったらいいのだろう
考えても考えても答えが出ず、焦りばかりが募りました。
そんな時に出会ったのが、この本でした。
著者のちこさんは、師匠となる北極老人が作ってくれたおにぎりで人生が変わったと書かれています。
下記の一文が私の心にグサリとささったのです。
人生を変えようと思ったら、生き方を変えればいい。
生き方を変えようと思ったら、食べ方を変えればいい。(P9)
心を込めて炊いたご飯と塩むすび
著者のちこさんはもともとご飯が嫌いだったそうです。
ところが北極老人が作ってくれた何も入っていない「塩むすび」がきっかけでご飯が大好きになったと言います。
そのおにぎりを頬張るたびに、嫌なことを忘れられて心がホッとした、そして自分でもそんなおにぎりを作れるようになりたいと思ったと書いてありました。
当時の私といえば、
- 朝食はコンビニのおにぎりやゼリー飲料
- 昼食はデパ地下のお弁当やファミレスのパスタ
- 夕食はコンビニのお弁当
今思い出すだけでゾッとしますが、食べることは単なるエネルギーの補給くらいに考えていました。
料理をする時間があったら、仕事する、勉強する。
そういう人間でした。
思い出しただけでオエっとなります(笑)
そんな私がこの本と出会い、極上ご飯の炊き方(P 24)を参考にして丁寧にご飯を炊き、心を込めて塩むすびを作りました。
塩だけのおにぎりを作ったのは初めてのことでした。
一口食べて、心がホッとしました。
二口食べて、思わず涙がこぼれました。
食べるごとに涙がポロポロとこぼれ続けました。
料理の原点は命に対する祝福だと、この本にはあります。
生まれてきてありがとう。
生きていてくれてありがとう。そういう、祝福です。(P29)
心を込めて作った塩むすびを食べた瞬間、
私は頑張って生きてきた自分を祝福することができたのだと思います。
自分自身に、今まで頑張ってきてくれてありがとう、と言えたんです。
人生を変えたいから食べ方を変える
それからの私はこの本に書いてあることを少しづつ実践し始めました。
- 感謝して食べる
- 良いお箸を使う
- 良い食器を使う
- ものを大切にする
- 良い調味料を使う
- 美味しいお茶の淹れ方
本気で生き方を、人生を変えたかったから。
私は食べ方を変えることにしたのです。
人生はすぐには変わりませんでした。
しかし、あれから7年が経ち、私の人生は確実に変わりつつあります。
料理はもともと得意ではありませんでしたが、この本で学んだ「料理の原点」と「食べ方」は今では日々の暮らしで当たり前になりました。
7年前にはどうやって生きていったらいいのだろうと途方に暮れていましたが、今では生き方の指針のようなものが見つかったような気がします。
それは食べ方を変えたおかげです。
だって、生きることは食べることですもの。
何をどんな風に食べるのか、どんな風に料理するのか、それが人生に繋がっているのは当然のことですよね。
人生を変えたい、そんな方には何かヒントが見つかるかもしれません。
(本文中の引用は下記の本より)