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怖いけど本当は好きなこと

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久しぶりに映画を見た。

ちょっとだけ衝撃的なシーンがあって、その場面が1日に何度も頭に浮かんでしまうから、ハッピーエンドだった幸せなエンドロールをあえて思い浮かべるようにしている。

 

感情移入しずぎるからという理由でいつの頃からか映画を見るのが怖くなってしまった。

 

だからずっと昔に見たことがある、好きな映画を何十回も何百回も繰り返し見ていた。

ハッピーエンドだとわかっていれば安心して見ていられる。

 

どんなに大ヒットした映画でも、好きな俳優さんの出ている映画でも、悲しい結末かもしれない、ショッキングなシーンがあるかもしれない、そう思うと見ることができなかった。

 

 

だけど最近私は思うのだ。

怖い怖いと言いながら、好きな事を遠ざけているのではないかと。

 

私は子供の頃から空想するのが好きだった。

たいていいつも、こうだったら、ああだったらと空想していた。

みんなそうだろうと思っていたけれど、そうでもないということを大人になって知った。

 

私は時々、現実と空想の境目がわからなくなる。

映画や小説の中の出来事なのか、私に身に起きた現実の出来事なのかわからなくなることがある。

これが結構厄介なのだ。

 

映画の主人公が大切な人を亡くしたとしたら、私は2週間もその悲しみから抜け出せない。

まるで私自身が大切な人を亡くしたかのように落ち込んでしまう。

その逆もあって、とても幸せなストーリーなら、私はその幸せな空気感を2週間は味わっていられる。

いいんだか悪いんだか。

 

こんな厄介な性格だけど、本当は映画を見るのが好きなんだ。

怖い怖いと遠ざけていたら、どんなに素敵な映画だったとしても、私の人生を変えるような素晴らしい映画だったとしても見ることができない。

 

怖いけれど本当は好きなこと。

ちょっとの勇気を出して、やってみようと思う。