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オーストラリアで農業をしていた夏のこと

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今日の夕焼けはとても綺麗で、部屋の窓からぼ〜っと空を眺めていました。

 

私の部屋の窓を開けると目の前には小さな畑があります。

住宅街の中にある小さな小さな畑です。

 

菜の花のような黄色いお花がたくさん咲いていたり、白いお花が咲いていたり、何か新しい野菜を植えるのか畝のようなものができていたりします。

 

時々、農家の方が作業をされていると

「はあ〜、羨ましい。草むしりでもなんでもいいからお手伝いさせて欲しい」

などと思ってしまいます。

 

もちろん、何かお手伝いさせてくださいなんて声をかける勇気はこれっぽちもありません。

いつか私も畑で野菜を育てたい、そんな思いが募るばかり。

 

 

今日も部屋の窓から夕焼けと農家さんを眺めながら、はあとため息を一つ。

 

 

 

 

そういえば、私も昔どっぷりと農業をやっていたことがありました。

ほんの数ヶ月の間だけなのですけど、毎日朝から夕方まで農作業をする日々。

 

 

まだ20代だったある夏、私はオーストラリアのオーガニックファームで働いていました。

ワーキングホリデーというやつです。

 

オーストラリアは日本とは季節が逆だから、実際には夏ではなく冬でした。

 

 

まだ寒い早朝に一緒に働く人たちと朝ごはんを食べて、汚れてもいい農作業用の服に着替えます。

サイズの合っていないブカブカの長靴にブカブカのジャンパーを着て、手首のところをグルグルっと折って、準備万端。

 

今日はWeeding(草むしり)かなSeedling(苗植え)かな?なんて話をしながら畑へ向かいます。

 

私たちの仕事は、草むしりと、葉物野菜の苗植え、収穫、洗ってパッキングするまで。

大抵は、朝から野菜の収穫をして10時頃に一休み。作業場で紅茶を入れてみんなでお菓子を食べます。

その後、野菜を洗ってパッキング。

冬だから水がとても冷たくて、手がかじかんで辛いのですけど、作業場にはずっとラジオが流れてて、一緒に歌ったり踊ったりする子もいて、笑いが絶えない時間でした。

 

 

お昼はみんなで一緒にご飯を食べて、お昼寝したり、本を読んだりのんびり過ごします。

長めのお昼休憩が終わると午後の作業。

草むしりをしたり、レタスや青梗菜の苗を植えたりします。

 

作業が終わると必ずみんなで夕焼けを眺めました。

毎日毎日、見てるのに

毎日毎日、綺麗だなって思ったんです。

 

 

夜になるとみんなで交代で夕ご飯を作ります。

私はカレーを作ることが多かったかな。

 

料理が苦手な子もいて、本を見ながら一生懸命作っていました。

ある時、魚のホイル焼きみたいな料理を作ってくれたのですけど、魚に全然火が通ってなくて、みんなで吹き出して、大爆笑。

 

 

 

なんの心配もなくて、なんのストレスもなくて

毎日毎日、土をいじって、野菜の世話をして。

 

新鮮な野菜を食べて、くだらない話をして、みんなで笑って歌って、踊って。

綺麗な夕日を眺めて、ああ幸せだなって心から思いました。

なんていうか、人間らしい生き方、だと思いました。

 

 

 

今の私はどうだろう。

 

土から離れて、コンクリートのビルの中で働いて、いつも不安でいつも心配で。

心の底から笑ったのなんていつか思い出せないくらいで。

 

農業っていいなあって思うのは間違いなくあのオーストラリアでの経験があったから。

 

現実逃避だと散々言われるけど、私はやっぱりああいう暮らしがいいなあ。

自分たちの食べるものを自分たちで育てて、自然の美しさに毎日感動しながら暮らしていけたらいいなあ。

 

 

 

部屋の窓から見える、小さな畑を見ながら、毎日決意を新たにしています。

 

 

 

きっと、必要なのは一歩を踏み出す勇気。

 

 

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