ずっと若い頃に、海外で知り合った友人から「もっと肩の力を抜いて生きてもいいんじゃない?」と言われた事があります。
その頃の私は、肩に力が入っているつもりなんて全くなくて、だから彼女がどうしてそんな事を言うのか分かりませんでした。
その一言にイラッとしたわけでもなく、ショックを受けたわけでもなく、ただ「ふ〜ん」と思っただけだったのに今でもちゃんと覚えているのだから、きっと私にとって大事な一言だったのでしょうね。
20代の頃、私はいつも一生懸命でした。
こうあるべき理想の自分に向かって頑張っていました。
あれもこれも背負い込んで自分の心をないがしろにしていました。
そんな私に、カナダで出会ったおばあちゃんは言いました。
「頭で考える事じゃなくて、心で感じる事に従いなさい。」
思わず涙がこぼれました。
今の私ならあの時「もっと肩の力を抜いていいんじゃない」と言った友人の気持ちがよくわかります。
この記事は、あの頃の自分へ伝えたいメッセージです。
完璧じゃなくてもいいんだよ。

過去の私はなんでもかんでも完璧主義でした。
「できない人」と思われるのが悔しかった。
仕事もプライベートも、英語力も誰かと比べて私はダメだと落ち込む日々。
そんな落ち込んだ心を悟られないように、完璧主義に拍車がかかります。
- 仕事は期日までに完璧に仕上げる。
- どんな仕事も笑顔で引き受ける。
過呼吸で倒れるほどにストレスを抱え込みました。
頼まれた事は断れないうえに、誰かに頼る事もできなかったのですよね。
そんなに頑張らなくていいんだよ。
いつも完璧を目指していたので、自分の欠点ばかりが目につきました。
苦手なことにばかり意識を向けていると、自分の得意なことに気付くことができません。
だから私は、本当は何が得意なのか全くわからなくなっていました。
今はできない自分をやっと認めることができたんです。
人の魅力は十人十色です。
自分では『弱み』だと思っていたことが、実は『強み』だったりします。
その『強み』を生かす道もあったのです。
人は完璧じゃなくていい。
私もあの人も完璧じゃなくていいんだ。
そんな風に考えられたら、少し気が楽になると思います。
心の声に耳を傾ける

かつての私にとって周りに認められること、評価されることが一番重要でした。
本当はやりたくないと心が言っていたとしても、我慢してやるべき、苦労するべき、努力するべき、と思っていました。
自分を犠牲にしてまで何かを成し遂げる人に魅力を感じ、そういう人に価値があると心の底から信じていたのです。
そのうちに自分が何をしたいのか、何をしたくないのか、何を食べたいのか、何を食べたくないのか、何が好きで、何が嫌いなのか、そんなことも分からなくなりました。
ある時、ふと見た雑誌に
日本人は周りに合わせる事ばかり考えていて、自分が本当に好きなことが分からなくなっている。だからまずは毎日使うシャンプーを好きな香りで選びなさい。
と書いてありました。
その位ならできると思ったので、大好きなラベンダーの香りのシャンプーを買ったのです。
その日から、シャンプーを使う時間がほんの少し好きになりました。
あまりにも心をないがしろにしていると、やがて心の声が聞こえなくなってしまいます。
まずはほんの小さなことでいいんです。
心の声に耳を傾けて、好きな香りのシャンプーを選んでみて!
段々ともっと大きな局面でも、心の声を聴けるようになるから。
心の声に従って生きられるようになると、心と行動に矛盾がなくなります。
そのうちに不思議と物事がスムーズに運ぶようになったり、気が付くと幸せだとな感じる瞬間が増えていきます。
だから、心を無視し続けないでください。
心地よい感覚を取り入れる

もしも、あまりにも心の声を無視し続けて、耳を傾けても何も聞こえなくなってしまったのなら、そんな時に試してほしいのが、感覚に意識を向けてみること。
五感、つまり「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚」で、自分が何を感じているのか注意深く観察してみてほしいんです。
そして、自分が心地よいと感じる感覚を大切にしてみて。
例えば、、、
- 視覚:美しい景色を眺める
- 聴覚:好きな音楽を聴く
- 嗅覚:いい香りの部屋で過ごす
- 味覚:旬の新鮮な食べ物を出来るだけシンプルな味つけで食す
- 触覚:タオルや下着等直接肌に触れるものを上質なものにする
今日からできそうなことばかりじゃない?
自分の感覚に敏感になると、「五感」が磨かれていきます。
そうすると自分にとって
心地よい物、心地よくない物
心地よい人、心地よくない人
心地よい場所、心地よくない場所
そんなものが分かるようになってきます。
自分が心地よいと感じる感覚を選んでいくと、幸せを感じる物、幸せを感じる人、幸せを感じる場所にたどり着けるんだよ。
だから「何に幸せを感じるのか」を知ることがとっても大事なの。
今、この瞬間を楽しんで

いつか幸せになる為に今は頑張る。
いつかやりたい事をやる為に今は我慢する。
いつか、いつか、いつか、いつかの為に…
かつての私はそんな言葉で頭の中が一杯でした。
もう休みたい、辞めたい、辛い
そんな心の声に蓋をして頑張り続けました。
あの頃の事を思い出そうとしても、もやがかかったみたいでよく思い出せないんですよね。
もしも、本当にやりたいことがあって、それに向かって頑張るのは素晴らしい事です。
それが心から楽しいのなら、道は間違っていません。
だけど、頑張るべきと思って頑張っているのなら、こうするしかない、と諦めて頑張っているのなら、少し立ち止まってみてほしいのです。
未来で幸せになるために今を犠牲にしているなら、
今のあなたがかわいそう。
今のあなたが、かわいそうだよ。
未来のあなたも、今のあなたも大切なんです。
今のあなたも幸せになっていい、楽しんでもいいんです。
私の20代は
- いつか誰かが幸せにしてくれる
- いつか何かが幸せにしてくれる
そう考えて、がむしゃらに頑張って生きていました。
なのに頑張っても頑張っても幸せになれず、いつもいつも疲れ切っていました。
様々な人との出会いや経験を経て、今だから言えることがあります。
答えはいつも心の中にありました。
自分を幸せにできるのは、自分だけなんです。
大事なことだからもう1回言うね。
あなたを幸せにできるのは、あなただけなんだよ。
本当に。。。
だから、今日1日は肩の力を抜いて、過ごしてみてほしい。
心の声に耳を傾けて、心が何を感じているのか、聞いてみてほしい。
きっと、あなたが幸せになる小さなヒントが見つかるはずだから。
あなたがあなたらしく、幸せに生きられることを心から願っています。
40代になったあなたは、いい感じに肩の力が抜けて生きてるよ。







