私が暮らす街には街路樹がたくさんあります。
その街路樹がたくさんの落ち葉を降らせてくれるので
道路にはたくさんの落ち葉が降り積もります。
お掃除をする人にとっては喜ばしいことではないかもしれませんが
私は道路に積もった落ち葉をサクサクと踏みながら歩くのが好きです。
朝、出かける時にはあちこちで落ち葉はきをする方がいます。
お掃除の邪魔にならないよう
私は落ち葉を踏むのなんて全然好きではありませんよ
という雰囲気を醸し出して
足早に通りすぎるのですが
時々、お掃除をする方がおはようと声をかけてくださいます。
「おはようございます」と返して、ほんの一瞬目を合わせて微笑むと
なんとも言えない幸せな気持ちになるのです。
私は自分から知らない人にあいさつをするのが苦手なので、
「おはよう」と言ってくれたあの方はすごいなあ
私も知らない誰かにおはようと挨拶してみようかなあ
でも、そんな勇気全然ないなあ
そんなことを考えながら歩いていると
前から小学生の集団がやってきて
おでこに大きな絆創膏を貼った少年が
「もしも僕がドラえもんだったらあ」
と大きな声で言いました。
「今日はずっと自習にする!」
ぷぷぷ、かわいすぎるその言葉に思わず笑ってしまいました。
私も子供の頃はもしもドラえもんがいてくれたらなんて
よく想像したものです。
大人になってからはそんなことを想像することも無くなってしまったけれど
もしも今日一日ドラえもんだったなら、私は何をしたいかなあと考えてみても
何にも浮かんでこない大人な自分にちょっとだけ寂しさを感じたりして
遠くまで離れても聞こえるほど大きな声で
「ワハハハ」と笑いながら歩くその子の後ろ姿を見ながら
陽気な少年よ、ありがとう
と小さく声をかけたのでした。