祖母のために編んでいた三角ストールが完成した。
予定よりちょっと小さめだけど、普段使いにはこの位の大きさがちょうどいい。
祖母は新しいものをもらうと「もったいないから」と押し入れに大切にしまっておくタイプ。
そう言わずにたくさん使ってほしい。
このストールの編み方はとっても簡単。
三角形の左右で増やし目をして同じ編み方を繰り返すだけ。

途中、ちょっと気分転換に編み方を変えてみたら、その部分が模様のようになった。
糸の繋ぎ目で穴が空いてしまって、やり直したりしたけど結果オーライ。
うん、満足な仕上がり。
1目1目編み進めるたび、祖母との思い出が頭に浮かぶ。
私が小さい頃は祖父が入院していて、祖母は毎日私を連れて病院に通っていたらしい。
祖父の病室に入る前に、じいちゃんが喜ぶから先に入れと言って私を先に病室へ入れる。
2歳の私が「じいちゃん!」と病室に入ると、祖父は「来たな!」と嬉しそうにしていたそう。
保育園に通うようになると祖母が毎日お迎えにくる。
身体が小さくて歩くのが遅かった私は、保育園が見えなくなると、いつも祖母におんぶしてもらっていた。
小学校の入学式の日。
おかっぱ頭に、小さな三つ編み。大きなランドセルを背負って「ちゃんとカメラの方を見なさい」と言われている瞬間の写真。
還暦のお祝いのパーティーでは、いとこたちとちびまる子ちゃんのダンスを踊った。
学校帰りによもぎの葉っぱを摘んで「ばあちゃん、これでよもぎ団子作って!」
ばあちゃんの作る団子やおはぎが大好きだった。
母が用事でお弁当を作れない日、祖母の作ったお弁当はすんごく美味しかった。
1度も勝ったことのない剣道の試合、祖母が見に来てくれた日もやっぱり負け。
勝ち負けのことは何にも言わず、「めえ〜めえ〜って、羊みたいだな」って思わず吹き出してしまった。
誕生日の日にこっそり部屋にケーキを持ってきてくれたこともあった。
大人になって、祖母と妹とうどん屋さんに行って、日帰り温泉に入って1日中遊んだ日は、一番の思い出。
親戚中が集まった祖母の米寿のお祝い。
父と叔母と紅葉を見ながらご飯を食べて、足湯に入ってドライブしたことも。
私は祖母のことが大好き。
泣きそうになるほどに大好きだ。
いつの間にか、1目1目編みながら、
ばあちゃんがずっと元気でいますように
ばあちゃんがずっと楽しく暮らせますように
ばあちゃんがずっと長生きしますように
繰り返し、繰り返し祈っていた。
編むことは、祈ること
使う人の幸せと健康を願って編まれたものには
その祈りが一緒に編み込まれている。
だからきっとその祈りが通じる、と私は思っている。
ばあちゃんに会う日が待ち遠しい。
