umi to ito(海と糸)は地球にやさしい暮らし方と編み物のブログです。
2020年7月、レジ袋の有料化が始まりました。
恥ずかしながら、それまで私はプラスチック問題にはどちらかというと無頓着な方でした。
プラスチックフリーに興味を持った日
スーパーでは普通にレジ袋をもらうし、
シャンプーもハンドソープも、食器洗い洗剤もプラスチック容器に入っていて、
洗顔フォームや歯磨き粉はどんな成分が入っているかまで気にしていませんでした。
その頃、私は横浜の山下公園の近くで働いていて、
昼休みには公園のベンチに座って、ぼーっと海を眺めるのが好きだったんですね。
お弁当はプラスチックタッパーに入れて、
ラップでおにぎりを包んで、
飲み物はペットボトルのお茶。
そんな毎日でした。
ある日ふと、手すりの向こうに目を移すと・・
海面にはぷかぷかとポテトチップスの袋が浮かんでいました。
その瞬間、なんだかとても心がざわざわして、海が汚れてしまう恐怖のようなものを感じたんです。
もちろん、プラスチックごみによる海洋汚染のニュースは知っていました。
ただ、
普段プラスチックまみれの生活をしているけれど、
海にゴミをポイ捨てしたりはしないので、
正直、自分にはどうする事も出来ない事だと思っているところがあったのです。
ところが、この時は何故か無性に悲しくなり、
なんとかしなければという思いが強烈に湧いてきました。
そしてその日の仕事帰り、書店で手に取ったのが、
「プラスチック・フリー生活」という本だったのです。
プラスチック汚染の問題について、非常に身近な視点で書かれています。
どんな害があるのか、どんな風に改善すればいいのか・・・
更に私達がすぐに、簡単に行動に移せるアイデアがたくさん紹介されていました。
その中の一つに、『お掃除道具は昔ながらの木綿の雑巾が一番』とあったのです。
カナダのおばあちゃんとコットンの食器洗い
その瞬間に私の頭に浮かんだのは、
カナダのおばあちゃんに教えてもらったコットンのDish Cloth(食器洗い)でした。
もう20年近く前の事になりますが、
私はカナダのバンクーバーでホームステイをしていました。
英語をあまり話せない私にホストファミリーのおばあちゃんが教えてくれたのが編み物。
そして最初に作ったのが、コットンのDish Clothだったのです。
ホストファミリーは毎日おばあちゃんが作ったDish Clothでお皿を洗っていました。
会話はあまりなかったけど、一緒に編み物をして、手作りのクッキーと紅茶で一休み。
いまではとてもいい思い出です。
そういえばカナダで暮らしていた頃は、環境に優しい暮らしがごく当たり前でもっと身近にあったように思います。
スーパーでは野菜や果物、お肉も量り売り。
ナッツやシリアルも欲しい分だけ買う事が出来ます。
普通のスーパーでオーガニック食品を買う事が出来たし、環境に配慮した石鹸も豊富に売っていました。
こんな風に紙製の容器に入ってむき出しのフルーツ、日本では見かけませんよね。
日本に帰国し衝撃を受けたのは、
1つ1つ個包装されたキャンディやチョコレート。
手軽に買えるコンビニのお弁当。
どこにでも売っている自動販売機のペットボトル飲料。
あまりにも多くの商品がプラスチックで包装されています。
当時は、その過剰包装に苦笑いしつつも、
日本は何て便利な国なんだとさえ思っていました。
今の自分に出来る小さな一歩を考える
あれから20年経ち、プラスチックによる海洋汚染の深刻さを知った今、
おばあちゃんの言葉がいつまでも頭から離れません。
「あなたに出来る事があるのなら、それをやりなさい」
カナダで暮らしていた頃、おばあちゃんがいつも言ってた言葉。
震災の後、落ち込んでいた私におばあちゃんは言いました。
「今何が出来るのか、考えて行動しなさい。」
人に優しく、地球に優しく、カナダの野生動物達を心から大切に思っていた、
愛情あふれるおばあちゃんでした。
きれいな海の近くに住んでいたおばあちゃんがコットンの食器洗いを使っていたのは、
ずっとキレイな海を見ていたいと願っていたからかもしれません。
※下記写真はバンクーバーのビーチにて
もちろん、その日から私はコットンで編んだ食器洗いを使っています。
日本ではコットンの食器洗いがあまり知られていませんね。
アクリルで編んだエコたわしは良く見かけるのですが、アクリルは『化学繊維』です。
環境に優しい天然繊維で食器洗いを作り、
多くの人に使ってもらいたい。
編み物が得意な人は是非、作ってみてほしいし、
編み物をやった事が無い人には、是非挑戦してみて欲しい。
そんな風に考えるようになりました。
海と糸が目指すこと
あれやこれや考えて何もしないでいると、
「何を足踏みしているの?」と言われてしまいます。
優しくも厳しいおばあちゃん。
おばあちゃんの言葉に背中を押されて、私に出来る事から始めてみる事にしました。
海と糸。
キレイな「海」を守るために、大好きな「糸」で出来る事。
ロゴはカナダのビーチでよく見かけたサンドラをモチーフにしました。
大好きだったカナダの海とおばあちゃんの知恵、いつまでも忘れないように。
このブログでは、
カナダのおばあちゃんが教えてくれた、地球に優しい暮らしのアイデアと編み物のある暮らしの豊かさをお伝えできればと思っています。
そして、
編み物を愛する人が、地球を大切に暮らしてくださることを心から願っています。