秋といえばオレンジ色
秋になると柿が食べたくなるのも、
こんな鮮やかなオレンジ色に惹かれるからではなかろうか。
他にもカボチャとか焼き芋とか、
食べ物じゃないけど紅葉も夕焼けも
私にとっては全部オレンジ色のイメージ
だから、秋といえばオレンジ色なんだ。
今では柿が大好きだけれど
子供の頃は苦手
というより、食わず嫌い。
特に祖母の作った干し柿はどうにもあの見た目のせいで
口に入れることができず
あれはどー見ても「柿のミイラ」だと思っていた。
いつから柿を美味しいと思うようになったんだ??
と考えてみると、バンクーバーで暮らしていた頃を思い出した。
普段はめったに行かない「高級な」スーパーに行った際、
Japanese Kaki と書かれた小さな小さな柿を見つけた。
日本のスーパーでよく見かける、大きくてツヤツヤのそれではなく
小さくて、ところどころ黒ずんでいて
まるで実家の柿の木になる実と同じだった。
それを見た私はあまりの懐かしさで
涙が出そうに感動した。
そんな私を見た友人が思わずプレゼントすると言って
その小さな柿を一つ買ってくれた。
(とんでもなく高級な柿だった・・・)
当時の私は特別に柿が大好きというほどではなかったけれど
そのまるで、素朴な佇まいがとにかく懐かしくて
祖母の部屋のこたつと、少し黒ずんだ小さな柿の実
それを吊るした祖母の部屋の縁側が思い出されて
一瞬ホームシックになりかけたのでした。
すぐに食べてしまうのはもったいなくて
しばらくは部屋に飾って、懐かしさを楽しみました。
そぉーっと皮を剥いて、小さく小さく切って
少しずつ、少しずつ味わって食べた日を今でも鮮明に覚えています。
それにしても・・・
バンクーバーで暮らしたのはほんの短い期間なのに
スーパーで見つけた柿を友達が買ってくれて、
大事に大事に食べた日のことをこんなに鮮明に覚えているなんて
1日1日をそんな風に生きていけたらいいのにな。







