こんにちは。海と糸です。
私の編み物人生のなかで
一番たくさん編んだのは、たぶんニット帽で
一番たくさん失敗したのも、たぶんニット帽です。
ニット帽の編み方は比較的簡単なのですが、
なぜそんなにたくさん失敗したのかというと
サイズ合わせが難しいから、なんです。
完成してみたら、ぶかぶかだったり、キツキツだったり
ちょうどよいサイズのニット帽を編むのって難しいなあと思っていました。
そんな私でしたが、最近は自分なりに
ちょうどよい大きさのニット帽を編むコツが掴めてきたように思います。
この記事は、何日もかけて編んだニット帽がブッカブカで
凹んでいる過去の私を救うための記事です。
もしも、あなたが初めてニット帽を編む方なら
きっとお役に立てると思います。
編み図がなくても自分好みの毛糸で、かぶる人にちょうど良い大きさのニット帽を編めるようお手伝いいたします。
※この記事は輪針・棒針編みで編むニット帽の編み方です。かぎ針編みの編み方をお探しの方は下記の記事へどうぞ
ニット帽を編む前にやること
ニット棒を編む前にやってほしいことがあります。
まずはかぶる人の耳の上あたり、頭の周りの大きさを測ってください。
ちなみに私の場合は54cmでした。
次にニット帽の大きさを決めます。
頭周りが54cmだからといって、54cmのニット帽を編むと、大きすぎてぶかぶかになってしまいます。
ニット帽は収縮性があるので、伸ばした時に54cmになる位の大きさで編むとちょうど良いです。
ちなみに、私の場合は50〜52cm位がちょうど良いと感じます。
これは個人の好みによりますので、もっとフィット感が欲しい場合には45〜48cm位にしても良いかもしれません。
今かぶっているニット帽がある場合にはそれがどの位の大きさか測ってみると参考になりますよ。
今回、私は頭回り52cm、高さが28cmのニット帽を編むことにします。
テストを編んで編み目の数を決める
ニット帽の大きさが決まったら次は「テスト」を編みます。
これはニット帽と同じ編み方で小さな編み地を編んでみて、何目必要かを計算するためのものです。
私の場合は、20目×20段編んで大きさを測り、ニット帽を何目で編んだら良いかを計算しています。
「テスト」の編み方は後ほど紹介します。
ちなみに私が編んだ「テスト」はこんな感じです。
20目編んだところ、長さは約10cmでした。
ポイントは、編み地が縮んでいるところではなく、広がっているところの長さを測ることです。
縮んでいるところで計算すると、想定より大きくなってしまいますのでご注意を。
20目で10cmでしたので、下記の計算式から、52cmのニット帽を編む為には104目編めば良いことがわかります。
編みたいニット帽の大きさ→52cm
20目で編める長さ→10cm
52÷10=5.2
20×5.2=104
あなたの編みたいニット帽の大きさを下記に当てはめてみてください。
編みたいニット帽の大きさ÷20目で編める長さ=(A)
20目×(A)=(B)
上記の計算で出したBに近い4の倍数が「ニット帽の編み目の数」になります。
※今回の編み方は4目で1つの模様になるので、編み目は4の倍数になる必要があります。
例えば、
50cmのニット帽が編みたくて、20目で12cm編める場合の計算式は、
50÷12=4.16
20×4.16=83.2
83.2に近い4の倍数にするので、ニット帽の編み目の数は「84目」になります。
こういう時、編み物はとても数学的だと思います。
そして、数学が苦手な私はとても苦労します。(笑)
使う道具と糸の選び方
今回は使った糸はハマナカの「ソノモノ」アルパカウール極太です。
色は42、サンドベージュを選びました。
このレシピでは2玉半程使いますので、3玉ご用意ください。
ハマナカのソノモノシリーズは染色されていない天然の色合いが特徴です。
肌触りがとても柔らかく、編みやすいので気に入っています。
他にはDARUMAのメリノスタイル極太という糸も編みやすくておすすめです。
基本的にご自身の好みの毛糸で編むのがおすすめですが、初心者の方は10号針で編めるストレートな糸だと編みやすいと思います。
もっと細い糸だとその分たくさん編む必要があるので。
今回使う道具は下記の3つです。
- 輪針(10号40cm)
- 棒針(10号20cm4本針)
- とじ針
輪針で編み始めて、先端部分の減らし目をするところは棒針で編みます。
輪針は筒状のものを編むのにとても便利ですが、輪の大きさより小さな輪を編むことができないので、先端部分は棒針を使います。
(厳密に言えば、輪針で減らし目を編んでいく方法もあるのですが、個人的には棒針に変えたほうが編みやすいと感じているので私はこの方法で編んでいます。)
編み針はクローバーの「匠」シリーズが編みやすくておすすめです。
ちなみに、私はカナダのソルトスプリング島で初めて輪針と出会ったのですが、その時購入したのがこの「匠」シリーズでした。
海外の方が日本の編み針を使ってくださっていることにとても誇らしい気持ちになったことを覚えています。
▷輪針
▷棒針
▷とじ針
「テスト」の編み方
ここからは「テスト」の編み方をご紹介します。
まずは、糸端から50cm程のところから、作り目を20目編みます。
作り目の編み方は下記の記事で紹介していますので、ご参照ください。
作り目を編んだら、編み地を裏返し下記のように持ちます。
左手の親指と中指で編み地のかかった棒針を持ち、糸玉側の糸を人差し指にかけて、右手に持った棒針を使って、人差し指にかかった糸を編んでいきます。
間違って糸端側を編んでしまわないように結んでおくと良いです。
最初の2目は表目を編みます。
1つ目の編み目の左側から右側の針を通し、左側の針の下を通って後ろに通します。
人差し指にかかっている糸に針を引っ掛けて、手前に引き出します。
続けて、左側の針にかかっていた1目を外します。これで表目が1目編めました。
同じようにして、表目をもう1目編みます。2つ目の編み目の左側から後ろに針を通し、糸を引っ掛けます。
糸を手前に引き出し、左側の針から1目外します。これで表目が2目編めました。
次に、裏目を2目編みます。まずは人差し指にかかっている糸を手前に持ってきて、3つ目の編み目の右側から左側に針を通し、糸を針にかけます。
糸を引き出し、左側の棒針にかかっていた1目を外すと、裏目が1目編めます。
同じようにして、裏目をもう1目編んでください。
4つ目の編み目に針を通し、糸を引っ掛けます。
引っ掛けた糸を引き出し、左側の棒針にかかっている1目を外します。これで裏目が2目編めました。
同じように、表目2回、裏目2回を繰り返して1段目を編み終えたところです。
編み地を裏返して持ち、2段目を編みます。
2段目も同じように、表目2回、裏目2回を繰り返して編んでいきます。
編み地を裏返しながら、表目2回、裏目2回を繰り返し20段編んだところです。
これで「テスト」の編み終わりです。
輪針・棒針で編むニット帽の編み方
ここからはニット帽の編み方を紹介します。おおまかな工程は下記の通りです。
輪針の使い方は下記の記事で紹介していますので、最初にお読みください。
では早速編んでいきましょう。
①作り目を編む
編み始めは、糸はじから約160cm位のところから作り目を104目編みます。作り目が捻れないよう注意してください。糸はじは間違えて編まないよう結んでおくと良いです。
②表目2回・裏目2回を繰り返し22cm編む
輪針は下記のように持ちます。糸がついている方を右手に持ち、糸玉側の糸を左手の人差し指にかけます。右手の針で左手の編み目を拾って編んでいきます。
「テスト」で編んだように、表目2回、裏目2回を繰り返して編んでいきます。
テストの時は編み地を裏返しながら編みましたが、輪針で編む時は裏返す必要はありませんので、ただひたすらに、表目2回、裏目2回を繰り返して編んでください。
おおよそ22cmになるまで編んだら、棒針に変えます。
輪針にかかった編み目を1目ずつ落とさないように棒針に移していきます。編み目の数はだいたい3等分になっていればOKです。
③減らし目1回目
ここで減らし目を編みます。1回目の減らし目は、前段の裏目2目を拾って1目に減らす編み方です。
まず、最初の表目2目は普通に表目2目を編んでください。
次の裏目2目を一度にひろって編み、裏目1目に減らします。
裏目2目に編み針を通し、糸を引っ掛けます。
糸を引き出して、左側の棒針から糸を外すと減らし目になります。
次の表目2目は普通に編んで、その次の裏目2目は減らし目をします。
裏目2目のところは全て減らし目で裏目1目にします。
④減らし目なしで5段(3cm)編む
減らし目1回目の段を編み終えたところです。
続けて、減らし目なし(=つまり表目2回、裏目1回の繰り返し)で5段編みます。
⑤減らし目2回目
次に減らし目の2回目を編みます。今度は表目2目を一度に編んで、表目1目に減らす編み方です。
最初の表目2目に一度に編み針を通します。
糸を引っ掛けて、引き抜き
左側の編み針から糸を外せば減らし目になります。次の裏目は普通に編んでください。
⑥減らし目なしで3段(約2cm)編む
減らし目2回目の段を編み終えたところです。
続けて、減らし目なし(=つまり表目1回、裏目1回の繰り返し)で3段編みます。
編み目の数がだんだんと少なくなってきましたね。
⑦減らし目3回目
次は減らし目の3回目を編みます。
減らし目の3回目は前段の表目と裏目を一度に拾い、表目1目に減らす編み方です。
まずは、前段の表目と裏目に編み針を通します。
糸を引っ掛けて、引き抜き、
左側の糸を外すと、減らし目が編めます。これを繰り返して、1段編み終えたところです。
⑧減らし目なしで1段編む
次の段は減らし目なし(=つまり全て表目)で編んでください。
⑨減らし目4回目
4回目の減らし目は前段の表目2目を拾って、表目1目に減らす編み方です。
⑩とじ針でてっぺんをふさぐ
4回目の減らし目を編み終えたところです。編み目の数はかなり少なくなりました。
最後の工程に入りましょう。編み終わりの糸を30cm程残して切り、とじ針に通します。
編み目を棒針からとじ針に移していきます。編み目を落とさないよう気をつけてください。
1周したら少し糸を引き締め、穴を小さくします。
続けて、とじ針でもう1周糸を通し、優しく引っ張っててっぺんの穴を塞いでください。
編み終わりと編み始めの糸を編み地に潜らせて切れば、完成です!
最後に・・・
輪針・棒針で編むニット帽の基本の編み方をご紹介しました。
ニット帽の編み方でポイントとなるのはなんと言っても『減らし目』です。
減らし目のやり方を覚えて、ぜひ自分好みのニット帽を編んでくださいね!
糸が余っていれば、ポンポン付きの帽子にアレンジするのもいいかも(^ ^)
ちなみに下記の写真は、この記事と同じ編み方で、糸の色と太さを変えて編んだものです。
糸の色や太さを変えることで雰囲気も変わりますので、よろしければ参考にしてください。
この記事が初めてニット帽を編む方のお役に立てれば幸いです。